どうも、チャンドラーです。
超お久しぶりの更新になります。前回挙げたのが「勉強11日目(71時間) 簿記3級の学習が一段落したから2級学習に移る」という記事だったので1ヶ月以上空いたことになります。
それまではほぼ毎日更新していたのに何やっていたんだというとガリ勉強していました(笑)
簿記2級を0から1ヶ月半で合格するぞ!といきなり勉強を開始したのが10月1日だったので、合格ラインまで自分を持っていくのに必死でした。目標達成まではブログやっているどころではありません。
瞬間風速では大学受験より勉強していたんじゃないか?と思うほど根詰めて学習していましたが、受験当日を迎え最大の敵は全く別のところにいたというお話です。
持病対策の念入りな事前準備
受験当日、北海道は11月なかばにも関わらず今シーズン初の大雪予報で、大変な冷え込みが見込まれました。
僕は「パニック障害」という厄介な病気を持っており、いつもと違うクローズドな空間に敏感に身体が反応しパニック発作が起きる可能性があります。
事実直前に受けた予備校の模試ですら本番ではないのに発作が発生したぐらいです。
発作が発動する前はたいてい身体が強張り、四肢が冷たくなっているため本番では各部位にカイロを準備しました。
当日は専門学校での受験だったのですが、地面は冷え切っている環境だったので足裏カイロは本当にあってよかったです。普通のカイロも大活躍しました。
他の防寒対策は
・ダウンジャケット
・ひざ掛け
・ヒートテック
・裏起毛のズボン
あたりを当日装備しました。ひざ掛けもあって正解でした、男性陣でひざ掛けしているのは僕くらいでしたが、気にしている場合ではありません。
簿記3級 9:00開始
簿記をダブル受験したことがある方は分かると思いますが、簿記はまず午前中に3級・1級があります。
行ったことのない学校だったため、念の為50分前には到着。
教室に入ると自分の高校を思い出すような雰囲気でちょっと懐かしくなりました。
9:00までは自由時間なので何やっててもいいのですが、僕はこの時すでに自分の呼吸が浅くなっているのを感じていたので自前の簿記ノートを見返す余裕なんてありませんでした。
なんとか自分の心を落ち着かせるように実に様々なことが頭の中をぐるぐるしていました。
そして9:00。
答案用紙・問題用紙が配られ、答案用紙に受験番号・名前を書きます。
皆書き終えたことを試験監督が確認し、すぐにスタートの号令がありました。
予想よりも早い号令の合図に「もう始まっちゃったよ」と心が掻き乱され、早速呼吸が荒くなっていきます。
最初の大問1の問題文を読んでも酸欠で内容が頭になかなか入ってこなく、目の前が若干霞んで見えます。
ただその場にいるだけで辛いのに、その上問題を解かなければならない。
呼吸が上手くできないのに何かをしなければならないのは、大袈裟かもしれませんが拷問を受けているかのようでした。
流石に息も苦しくて仕方がなく退出しギブアップするのも嫌だったので試験監督に手を挙げ、追加の抗不安薬を飲む許可をもらいました。
呼吸の落ち着かせ方がなかなかに独特
それからも息が整わない辛い時間が続きました。
昨日のことなのでよく覚えているのですが、その時僕が取った行動は一度試験のことを考えるのをやめ、あることを考えました。この時の方法は名付けて「あのとき(時代)に比べれば」です。ネーミングセンスゼロなのはご容赦を。
(※超自己流なので真似しないで下さい)
今回ふと2つのことを思い出しました。
一つはヴィクトール・フランクルというアウシュヴィッツ収容所から生き残った人が書いた「夜と霧」という本です。
もう一つは最近ハマった「ヴィンランド・サガ」というヴァイキングの男達を描いたかなり史実に忠実な漫画です。
この2つの時代背景・境遇に共通なのは「気を抜いたら殺される」という点です。
アウシュヴィッツ収容所では家畜以下の扱いを同じ人間から受け続け、人間の尊厳を一切奪われた環境の中で著書は人間だけが持てる真の尊厳を見出します。彼らは常にいつ自分が殺されるか分からないギリギリの精神状態で収容所生活を送っていました。
またヴィンランドサガでは次々をヴァイキングが村々を襲い、国家同士が戦争をしているため命の安全が担保されるような場所などありませんでした。その中で男達は戦地で戦って堂々と死んでいった者だけが行ける「ヴァルハラ」に行けることを信じて毎日死と隣り合わせの生き方をしていました。
この2つを思い浮かべ「自分は今持病で苦しんでて仕事も失い離婚も経験したけど、この時代に比べればまだまだいくらでもチャンスがあるじゃないか。今回の試験はダメかもしれないけど一生に1回しか受けられない訳じゃないし、ダメでも大丈夫。今の時代に生きてることに感謝して、また次の機会にトライしよう」
そう思って今回の試験を諦めてもいいんだよと心を諭しました。
まさに極端な時代背景を頭に思い巡らせ、現状との比較でリラックスさせようというなかなか特異な方法だと自分でも思います。オススメしません。
上手く心を諭すことに成功
そうやって半分今回の試験を諦めるマインドになったのが、逆に功を奏しました。
霞んでいた視界が少しずつ色を取り戻し、少しずつ問題を読めるようになってきました。
こうなったらあとは諦めた心をキープしつつなるべくスピーディに問題を処理するという、一見矛盾した行為を試験終了まで続けました。
前半20〜30分はほとんど集中できず問題もロクに解けませんでしたが、結果として中盤・後半盛り返しなんとか全問解くことができました。
まとめ:本番はコンディション(精神面・体調面)を整えることが何より大事
前半でパニック発作になったにも関わらずなんとか全問解くことができたのは「手放す」という考えができたからではないかと思います。
禅の教えにはこのような言葉があります。
「仏に逢うては仏を殺し。祖に逢うては祖を殺し。羅漢(悟りを開いた高僧)に逢うては羅漢を殺し。父母に逢うては父母を殺し。親眷(身内や親族)に逢うては親眷を殺し。始めて解脱(苦悩や束縛から開放され自由になる)を得ん」
「殺仏殺祖」という教えなのですが、この教えの意味は「仏など身近につい頼りたくなるような人に出会ったときにも、その出会った人に対する行き過ぎた尊敬や頼る心を捨てて、自分自身で考え解決しろ」という意味です。
僕は資格試験を資格が取りたくて当然一生懸命勉強し試験を受けている訳ですが、当日のメンタリティには当然「この資格が取れなかったらどうしよう」というある種資格取得の威光に依存している自分がいるわけです。
「取れなくてもいいや、ただしっかり準備してトライはしてみよう」という考え方の方が健全で、精神を安定させる上でとても重要になってくると思います。
そういう側面でも、今回の試験は勉強内容以上に学ぶものがありました。
次回は色々と物議をかもしだしている後半の簿記2級受験の模様をお送りしたいと思います。
どうも、チャンドラーでした。