「なぜ、Onを履くと心にポッと火が灯るのか?」という本を読みましたので、感想をつらつらと書いていきたいと思います。拙文ではありますがお付き合い頂けたら幸いです。
本書はOnシューズのマーケティングディレクターである駒田さんが、いかにOnジャパンを立ち上げてNikeやadidas,New Balanceなど超レッドオーシャンのシューズ市場で頭角を現していったのか、自分の半生も振り返った半自伝的な内容となっております。
Onとの出会いは職場
Onシューズは私が大好きなシューズブランドで、前職の店頭で取り扱うところからの出会いでした。
いまでも筋トレするときのトレーニングシューズはOnのクラウドサーファーですし(何年履いているんだろう、そろそろ新調しないと)、散歩のときは無印のクラウドを履いています。
当時自分が勤めていたのは自転車専門店なのですが、2016年頃からお客さんにトライアスリートが多くなりはじめ、また私が人生で出会った中で最もクレイジーな人間であるO店長もトライアスロンを始めると言い出し、トライアスロン関係の情報が一気にお店に集まるようになってきました。
そしてある日店長が「このシューズをお店に置きたい」と突如言い出したのがOnシューズです。
言うまでもないことですが、自転車専門店に自転車と直接関係のない商品を置くことは非常にレアケースです。社長も最初は反対したことでしょう。でも数か月後には店舗にカラー・サイズ違いのシューズが大量に鎮座していました。
いつも通りシャキールオニール顔負けのごり押しで話を通したのか、何か売上目標的な内々の取引があったのか知る由もありません。
駒田博紀という男と私の接点
むこうはもう覚えてらっしゃらないと思いますが、実は私は駒田さんと一度お会いしたことがあります。
当時うちが取り扱いを始めた頃はまだオンジャパンも小さく、本書の中でも書いてあるように正社員4人で運営していました。その中で「世界のカマタ」こと鎌田さんが営業担当でついてくださっていました。
お忙しい中鎌田さんには、店舗で主宰するランニングイベントに何度も講師として来て下さり大変感謝しております。
そしてあるとき、Onジャパンの頭である駒田さんが店舗まで足を運んでくださることになり、店舗視察の後に店長・大さん(テクニカルマネージャー)・私・駒田さん・鎌田さんの5人で横浜でたらふくビールを飲みました。
何を話したかまったく覚えていませんが、たくさん笑った記憶だけが残っています。
鉄人鍛錬記のファンになる
オンを店舗で取り扱い始めてから、駒田さんが当時更新していた「駒田博紀の鉄人鍛錬記」なるブログを読み始め、その軽妙洒脱な文章にすっかり魅了されていきました。
何も知らない当初、私は「オンジャパンの代表(正確にはマーケティングディレクター)ともなると、どうせ一流商社に勤めていたエリートが脱サラして起業したのだろう」と勝手に思っていました。
しかしブログを読んでいると、どうもそうではない。むしろここにたどり着くまでの人生それなりに苦しんでいる。そんな人間臭さも私は面白いと感じていました。
色んなエピソードが綴られていましたが、例えば、駒田さんが離婚してから一人鎌倉のマンションに取り残され、パンイチで小学生からやっている空手の型を必死に実践する様は、いまでも私の心に残っています。
本書のおもしろさ
鉄人鍛錬記は読者をたのしませるために少し誇張したような文体で書かれていることが多かったのですが、本書は言うなれば駒田博紀という男の等身大の自伝だと感じました。
喘息を持っていたことによる大のスポーツアレルギーだった少年が、様々な困難を経て、気が付いたらスポーツシューズの日本法人代表をやっている。色々なことから逃げてきたけど、自分の全力をOnに注ぎこむ。そしてその過程を楽しむ。
仕事なんだけど青春劇だなぁと羨ましく感じると同時に、動かないと何も始まらないよなと勇気を与えてくれました。そう、何事も自分がトライしないと何も始まらないのです。
駒田さんがほとんどゼロから積み上げていった現在が、色々と悩んで名付けた本ブログのタイトルである「ビルド!」に共鳴し、なんだかうれしく思います。
今やOnは日本でも本当に人気のあるシューズブランドとなりました。
駒田さんは今年、軌道に乗ったOnジャパンを離れ、新たにクラフトビール会社を設立したようです。
クラフトビールも今やレッドオーシャンですが、駒田さんならきっと面白い一味違ったビールや場所を作ってくれるでしょう。
最近のちょっとした出来事
リベルテという超がつくほど美味しいチョコレート専門店があるのですが、取引先のために(+自分用に)わざわざ高温&高湿度で汗だくになりながら30分歩いて買いに行ったのですが、まさかの夏季休業でした。
みなさん、Googleマップの「営業中」は信じてはいけませんよ。
以上本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。